
近年、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進やIT技術の急速な進化に伴い、あらゆる企業でエンジニアの需要が高まっています。しかし、経験豊富なエンジニアの採用は困難を極め、多くの企業がIT人材の確保と育成に課題を抱えているのが現状です。
このような背景から、社内でエンジニアを育成するための研修プログラムが注目を集めています。
本記事では、エンジニア研修を検討している企業の人事担当者様に向けて エンジニア研修の種類や選び方、そしておすすめのサービスを比較しながら詳しく解説します。
エンジニア研修とは?

エンジニア研修とは、企業が自社の社員をITエンジニアとして育成するために実施する教育プログラム・研修の一環です。プログラミング言語の基礎からシステム開発、Webデザイン、クラウド、AIといった専門技術まで、多岐にわたる内容が提供されます。
研修の費用相場は内容や期間、受講形式によって大きく異なり、数日間の短期集中型で数万円から、数か月にわたる本格的な研修では数十万円から数百万円に及ぶ場合もあります。
研修の種類としては、企業ごとの特定の課題や技術要件に合わせてカスタマイズするオーダーメイド型や、特定のプログラミング言語(Java、Python)や技術分野(Web開発、データサイエンス)に特化した専門型などがあります。
エンジニア研修の目的・背景・必要性

企業がエンジニア研修を導入する背景には、昨今のIT業界が抱える複数の課題と、技術進化のスピードがあります。これらの課題に対応し、競争力を維持・向上させるために、社内での人材育成が不可欠な投資であると考えられています。
ここでは、企業がエンジニア研修を導入すべき具体的な理由を3つ解説します。
IT人材・慢性的な人手不足の解消
多くの企業がIT領域での人材確保に苦労しており、特に経験豊富なエンジニアは常に不足しています。経済産業省の調査によると、2030年には最大で79万人のIT人材が不足すると予測されており[1]、この慢性的な人手不足はIT業界全体の深刻な課題です。
その場合、自社でエンジニアを必要としても、他社と少ない人材を取り合うことになりかねません。採用市場が売り手市場となる中で、即戦力を外部から獲得するだけでなく、社内での育成を通じて人材を確保しようとする動きが活発化しています。
特にエンジニアは高度な専門技術とそれに応じた月給を必要とする職種であるため、社内で未経験者や素質がある社員を育成するほうが、長期的に見て良いケースも珍しくありません。
計画的な研修制度を導入し、育成することが、長期的な人材確保と組織力の強化に繋がるのです。
エンジニアにおける経験者採用の難しさ
経験者のエンジニア採用は競争が激しく、非常に難しい課題です。高額な採用コストをかけても、採用するまでその人物のスキルや能力が自社の求めるレベルに合致するか、あるいは会社の文化に馴染めるかといった点は不透明な部分が多いです。
特に中小企業では、大手企業との人材獲得競争で不利になることも少なくありません。そのため、経験の浅い人材や未経験者を採用し、自社の求めるスキルや文化に合わせたエンジニア研修によって育成するほうが、結果的に採用コストを抑えつつ、定着率の高い人材を確保できる場合もあります。
育成に限らず、採用・人手不足の対策としても研修はおすすめです。
業務領域の多様化
エンジニアの業務領域は元々専門的な分野である上に、近年ますます多様化・複雑化しています。システムの要件定義から設計、プログラミング、テスト、運用保守まで幅広い工程に携わるだけでなく、最近では情報セキュリティ対策やデータ分析などが求められることも増えました。
このため、一人ひとりのエンジニアが幅広く、深い知識を求められるようになっています。現代の多岐にわたる知識やスキルを個人で習得し続けることは、なかなかハード。
個人の意欲・興味関心に頼るのではなく、組織的に体系的な研修を提供することで、エンジニア全体の能力底上げと業務効率化を図ることが必要なのです。
スピーディーな技術進化への対応
IT分野は、他の業界と比較して技術の進化スピードが非常に速いです。新しいプログラミング言語やフレームワーク、開発手法が次々と登場する上に、昨今のAI技術の発展はそのスピードをさらに加速させています。
エンジニアが常に最先端の技術動向に対応していくためには、継続的な学習が不可欠です。企業が定期的な研修制度を提供することも、その対策の一つ。
社員が新しい技術や知識を効率的に習得し、業務に反映できるよう支援することは、企業の競争力を維持・向上させる上でも役に立ちます。
エンジニア研修の選び方・比較ポイント

自社に合うエンジニア研修を選ぶためには、いくつかの比較ポイントがあります。
漠然と研修を選ぶのではなく、自社の目的や課題、受講者の状況を明確にした上で検討を進めることが成功への鍵となります。
そこで、エンジニア研修を選ぶ際の具体的なチェックポイントをまとめました。研修選びの参考になれば幸いです。
| 比較ポイント | 重要性・確認事項 |
|---|---|
| 研修内容 | 自社の課題解決に直結するか、育成したいエンジニア像に合うか(言語、専門領域など) |
| 受講形式 | オンライン、対面、eラーニングなど、社員の状況や企業の環境に合っているか。社内講師か外部講師か。 |
| 講師の実績 | 現場経験、専門知識、教育実績が豊富か。受講者への的確なフィードバックが可能か。 |
| 進捗管理機能 | 学習状況の可視化、テスト自動採点、課題管理など、学習の遅れを早期に把握できるか。 |
| モチベーション管理・フォロー | メンタリング、コーチング、質疑応答サポートなど、学習継続を促す手厚い体制があるか。 |
| 助成金対応の有無 | 費用負担を軽減できる助成金制度の対象か、申請サポートを受けられるか。 |
研修内容
エンジニア研修を選ぶ上で重要なのは、自社の課題解決に直結する適切な研修内容が提供されているかです。例えば、新規事業でWebサービスを開発したいならPythonやRubyなどのWeb系言語に特化した研修が、基幹システムの保守・開発ならJavaやC#の研修が適していると言われています。
そのためにも自社で育成したいエンジニア像や、習得させたいプログラミング言語、専門領域(例えばインフラ、フロントエンド、バックエンド、AI開発、クラウド技術)を具体的に洗い出しましょう。
そのニーズに合致するカリキュラムを持つ研修を選ぶことが、費用対効果を高める上での最初のステップとなります。
受講形式
研修の受講形式は、学習効果や社員のモチベーションに大きく影響します。主な形式としてはオンライン、対面(集合研修)、eラーニング、反転学習(ブレンディッドラーニング)などがあります。
オンライン形式は場所を選ばずに受講できるため、多拠点の社員や在宅勤務者(リモートワーク)がいる企業に適していますが、集中力の維持や質問のしやすさに課題を感じる場合もあります。
一方、対面形式の場合、講師や他の受講者との交流を通じてより深い理解やチームビルディングが期待できますが、受講場所や日程の調整が必要になります。
また、自社の社員が講師になるのか、外部の専門講師を招くのかも迷うポイントです。社内講師は自社の業務内容に合わせた実践的な指導が可能ですが、担当社員の負担増や専門知識のアップデートが必要になることは考えるすべきでしょう。
講師候補が多忙な場合は、外部委託を考えるのも一つの方法です。
講師の実績
研修の効果は、講師の質に大きく左右されます。講師が現場経験の豊富な現役エンジニアであるか、特定の技術分野で深い専門知識と教育実績を持っているかは、研修を選ぶ上で重要なポイントです。
実績のある講師は技術的な知識だけでなく、現場での課題解決能力や実践的なノウハウを伝えることもできます。
また、受講者の疑問に対して的確な回答・フィードバックを与え、学習意欲を引き出すスキルを持ち合わせていることもあります。エンジニア研修サービスの選定時には、講師のプロフィールや実績、過去の受講者からの評価などを確認することをおすすめします。
進捗管理機能
主にeラーニング形式の研修では、受講者の学習進捗を適切に管理する機能・システムが重要になります。具体的には学習状況の可視化、テストの自動採点、課題提出状況の管理などです。
この進捗管理システムが充実しているサービスであれば、人事担当者は社員一人ひとりがどこまで学習を進めているか、どの単元で躓いているかを容易に把握できます。
進捗管理システムにより、学習の遅れが見られる社員に対して早期にフォローアップを行ったり、全体の学習計画を調整したりすることが可能になります。
研修の脱落者を減らし、全体の学習効果を高める上で必須と言えるでしょう。
モチベーション管理機能・フォロー
プログラミング学習や専門技術の習得は難易度が高く、途中で挫折してしまう人も少なくありません。そのため、受講者のモチベーションを維持し、学習を完遂させるための手厚いフォロー体制が研修サービスに備わっているかも、重要な比較ポイントです。
具体的には、定期的なメンタリングやコーチング制度、チャットや掲示板で質疑応答ができるサポート体制、学習状況に応じたチアリングなどが挙げられます。
サポート機能は、特に未経験者や新卒のエンジニア研修において、学習の継続を促し、モチベーションダウンを予防するのに大きな役割を果たします。単に技術を教えるだけでなく、受講者が自信を持って学習を進められるようなフォローを提供しているかを確認しましょう。
助成金対応の有無
エンジニア研修の費用は決して安くありませんが、国や地方自治体が提供する助成金を活用できる場合があります。
例えば、厚生労働省が提供する「人材開発支援助成金」のような制度は、特定の条件を満たす研修に対して、費用の一部を補助してくれます。
助成金を活用できれば、研修導入のハードルを大きく下げることができます。研修サービスを選ぶ際には、そのサービスが助成金の対象となるか、また申請サポートが受けられるかも比較ポイントに加えてみてください。。
ただし、助成金制度は多岐にわたり、それぞれに申請条件や対象となる研修、支給額が異なります。自社が条件に合致しているかは、必ず事前に確認しておきましょう。
法人向けおすすめのエンジニア研修・会社の比較表
ここでは、主要なエンジニア研修サービスを一覧で比較しました。
各サービスの特徴や受講形態、対象者、料金、助成金対応の有無をまとめていますので、自社に合う研修選びの参考にしてみてください。
| サービス名 | 特徴 | 受講形態 | 対象者 | 料金 | 助成金対応 |
|---|---|---|---|---|---|
| 伴走型オーダーメイド研修(株式会社SAMURAI) | ITエンジニア向けの幅広い研修コース(Java、Python、クラウドなど)を提供。新卒からベテランまで対応し、自社に必要なカリキュラムにオーダーメイドも可能。。 | オンライン、対面、eラーニング | 新卒、未経験者、中堅、ベテラン | 要問い合わせ(コースによる) | あり |
| ビルピスアカデミー(旧:TECH PLAY Academy)(パーソルグループ) | 企業向けに完全オーダーメイドで、開発環境や企業文化に合わせた研修を提供。現役エンジニアが指導し、短期間での即戦力化を支援。 | オンライン、対面 | 新卒、未経験者、既存エンジニア | 要問い合わせ | あり |
| インソース(株式会社インソース) | IT業界向けに多岐にわたる研修プログラムを提供。技術スキルだけでなく、ビジネススキル研修も豊富。テクニカルエバンジェリスト入門研修やチーム開発研修など。 | オンライン、対面、eラーニング | 新卒、若手、中堅、管理職 | 要問い合わせ(コースによる) | あり |
| インターネット・アカデミー(インターネット・アカデミー株式会社) | Web・IT専門スクールとして、プログラミングからWebデザイン、AIまで幅広いITエンジニア育成研修を提供。目的別の研修コースが充実。 | オンライン、対面、eラーニング | 新卒、未経験者、若手 | 要問い合わせ(コースによる) | あり |
| テックアカデミー 法人向け(株式会社システムシェアード) | オンライン完結型のIT研修サービス。プログラミング教育に加え、主体的に学ぶ姿勢の育成に注力。日本e-Learning大賞受賞実績あり。メンターサポートが手厚い。 | オンライン(eラーニング主体) | 新卒、未経験者、若手 | 要問い合わせ(プランによる) | あり |
法人向けエンジニア向け研修のおすすめ5選と特徴
ここでは、前述の比較表で紹介した各エンジニア研修サービスについて、それぞれの特徴や魅力を解説します。各サービスの強みを理解し、自社のニーズに合うエンジニア研修を見つけるための参考にしてください。
伴走型オーダーメイド研修(株式会社SAMURAI)

伴走型オーダーメイド研修(プログラミング法人研修)は、株式会社SAMURAIが提供するITエンジニア向けの総合研修サービスです。その最大の魅力は、オーダーメイド研修であること。新卒からベテランまで、あらゆるレベルとニーズに対応する非常に幅広い研修コースが用意されています。
JavaやPythonといった主要プログラミング言語から、Webサイトやアプリ開発、生成AIまで、多岐にわたる技術領域をカバーしており、自社で必要な分野だけを詰め込んだ研修を作ることも可能です。
また現役エンジニアが講師で、50,000名以上を指導してきた実績も安心。初めてエンジニア研修を導入する企業から、特定の専門技術を深めたい企業まで、幅広いニーズに対応できる汎用性の高さが強みです。
ビルピスアカデミー(パーソルイノベーション株式会社)

ビルピスアカデミー(旧:TECH PLAY Academy)は、パーソルグループが企業向けに提供する、完全オーダーメイド型のエンジニア研修です。数ある種類の中で「ソフトエンジニア育成研修」が法人向けエンジニア研修に当てはまり、100社以上の導入実績があります。
最大の特徴は、設計・実装だけでなく、企業ごとの事業に合うビジネス視点での開発思考を習得できること。現場起点で課題を捉え、属人性を排除した継続可能な開発体制を作れる人材育成を目指して作られています。
研修はアウトプットとレビューを繰り返す超実践型で、現役エンジニアの実践指導あり。受講者は短期間での即戦力化が期待でき、研修後すぐに自社のプロジェクトに貢献できる状態を目指します。
運営担当者にも運営のプロからのサポートがあり、未経験者や新卒の社員を自社の開発現場にスムーズに接続させるための強力なソリューションとなるでしょう。
こちらは2026年6月より、名称が「パーソルグループ ソフトウェアエンジニア育成研修」から「ビルピスアカデミー」に変更となりました。
インソース(株式会社インソース)

インソースは、IT業界向けに多岐にわたる研修プログラムを提供している研修サービス。技術スキルだけでなく、ビジネススキル研修も豊富にラインナップしている点が特徴です。
プログラミングの基礎から、システム開発、インフラ、セキュリティといった専門技術はもちろんのこと、テクニカルエバンジェリスト入門研修やチーム開発研修、アジャイル開発プロジェクトマネジメント研修など、エンジニアとして活躍するために必要な周辺知識やスキルも網羅しています。
研修形態も集合研修、オンライン研修、eラーニングと柔軟に対応しており、企業の状況や受講者の学習スタイルに合わせて選択できます。
特に、エンジニアがチームとして効果的に機能するためのコミュニケーション、問題解決、プロジェクト管理などのスキル育成にも力を入れているため、単なる技術者ではなく、ビジネス全体に貢献できる人材の育成を目指す企業におすすめです。
インターネット・アカデミー(インターネット・アカデミー株式会社)

インターネット・アカデミーは、Web・IT専門スクールとして1995年創業と長い実績を持つ企業です。
強みは、プログラミングからWebデザイン、AI、IoTまで、幅広いITエンジニア育成研修を目的別に提供していること。
特にWeb技術に強く、HTML/CSS、JavaScriptといったフロントエンド技術から、PHP、Javaなどのバックエンド技術、さらにはWebデザインやUI/UX設計まで、総合的なWebサービス開発に必要なスキルを学ぶことができます。
初心者からでも安心して学べるように、基礎から応用まで体系的なカリキュラムが組まれており、Web制作会社を母体とした現場ノウハウを習得できるのも魅力です。
また、AIやデータサイエンスといった最先端技術の研修も提供しており、将来のITトレンドに対応できる人材育成を支援します。新卒や未経験の中途採用者を、短期間でWeb・IT業界の即戦力として育成したい企業におすすめです。
テックアカデミー 法人向けIT・エンジニア研修(株式会社システムシェアード)

テックアカデミーは、元々プログラミングスクールを提供しているテックアカデミーが提供するエンジニア研修です。900社・10万人以上という高い実績を誇り、特に技術を教えるだけでなく、受講者が主体的に学ぶ姿勢を育成することに注力している点が評価されています。
例えば1on1サポートでコミュニケーション能力、学習スケジュール設計で納期遵守の意識を身に付けるなど、技術面以外にも注力して主体的なエンジニアを育てます。日本e-Learning大賞の受賞実績もあり、その学習効果が認められています。
また、質問ルームやレッスン解説会など、手厚いサポートを受けられる点も魅力です。このサポートで疑問点をすぐに解消し、学習でつまずくことなく効率的にスキルを習得することが可能です。
プログラミング言語はもちろん、Webデザインやアプリ開発、AIといった多様なコースが提供されており、法人研修として、新卒や未経験の社員を短期間で実践的なITスキルを持つエンジニアへと育てたい企業におすすめです。
【タイプ別】おすすめのエンジニア研修
エンジニア研修探しでは対象となる社員の経験レベルや企業の育成方針に合わせて選ぶのも重要です。
ここでは、先ほど紹介したおすすめのエンジニア研修サービスをタイプ別にまとめ、それぞれの特徴を比較します。
| タイプ | おすすめの研修サービス | 特徴・選定ポイント |
|---|---|---|
| 新卒・未経験者向け |
| |
| 中堅・中小企業向け (社内に教育担当者がいない企業向け) |
| |
| 短期集中・特化型 (クラウド、AI等の技術特化) |
| |
| eラーニング型 |
|
企業がエンジニア研修を導入する際の成功のポイント

エンジニア研修を導入する際は、単にプログラムを選ぶだけでなく、研修後の現場での活躍を見据えた計画的なアプローチが重要です。そこで研修を成功させ、エンジニア育成の効果を最大化するポイントを解説します。
研修だけで数か月、現場で力を発揮するまでは一年を目処にする
エンジニアの育成は、座学や実習といった研修期間だけで完結するものではありません。プログラミングの基礎から応用まで短期間で詰め込む上に、受講者のスキルレベルがバラバラな場合もあり、現場に立てる最低限の状態に仕上げるには研修だけで2〜3か月の時間が必要です。
またそれで終わりではなく、エンジニアは現場での経験を通じて多くのことを学び、習得していく職種です。
例えば、実際のプロジェクトでコードを書いてレビューを受け、運用保守に携わる中で、初めて実践的なスキルやチーム開発のノウハウが身につきます。一人前のエンジニアとして現場で十分に力を発揮できるようになるまでは、研修期間も含めて一年を目安に育成計画を設計・導入しておくことが望ましいです。
育成にかかる時間や費用対効果に関するギャップを減らし、より現実的な目標設定が可能になります。基本的には、数か月から一年の長い目で考えておきましょう。
社員のスキルレベルを事前に把握してグルーピングする
企業でエンジニア研修を実施する際、対象となる社員のスキルレベルは新人・中堅・ベテランと経験年数で大きく異なります。
そのため社員全員に同じ研修プログラムを適用しても、内容に満足できない社員が出たり、逆にスキルレベルが低い社員や新入社員は研修についていけず挫折してしまう可能性があります。
研修の成功には事前に社員一人ひとりの現在のスキルレベルや経験、学習意欲を正確に把握することが不可欠です。その上で、同程度のスキルレベルの社員をグルーピングし、それぞれのグループに最適な内容の研修・コースを提供しましょう。
例えば、未経験者には基礎的なプログラミング研修を、中堅社員には特定の最新技術に特化した研修を提供するなどです。
複数の研修を用意することは大変ですが、受講者全員が自分のレベルに合ったペースで学習を進められ、より深い理解と高い学習効果が期待できます。
定期的な理解度チェックをする
エンジニア研修を効果的に進めるためには、受講者が研修内容をどれだけ理解しているかを定期的に確認する仕組みも必要です。単に講義を受けっぱなしにするのではなく、小テストや演習、課題提出などを通じて理解度をチェックすることで、知識の定着を促します。
同時に理解度が低いと判断された受講者に対しては、講師やメンターが個別にフォローアップを行ったり、補足的な教材を提供したりするなど、適宜サポートする体制を整えておきましょう。
フォロー体制を整えていれば学習の遅れを早期に発見し、全員が一定のレベルに到達できるように支援できます。
定期的なチェックは受講者自身が自分の成長を実感できる機会にもなり、学習モチベーションを維持するためにも有効です。
エンジニア研修でよくある質問(Q&A)

エンジニア研修の導入を検討する際、多くの企業担当者様から寄せられる質問とその回答をまとめました。これらの情報を通じて、研修導入における疑問や不安の解消にお役立てください。
エンジニア研修の期間はどれくらい?
エンジニア研修の期間は目的、対象者のスキルレベル、学習内容によって大きく異なります。一般的に、プログラミングの基礎から学ぶ新卒や未経験者向けの研修では基礎習得に2〜3か月、実践的な演習を含めると半年〜一年程度を要することが多いです。
一方、特定のプログラミング言語や最新技術に特化した経験者向けのスキルアップ研修であれば、数日〜1か月程度の短期集中型も多く見られます。企業が期待する最終的なスキルレベルと、社員の学習スピードを考慮して、自社の社員に必要な期間を設定するのが一番安心です。
また前述の通り、現場で一人前に活躍するまでには、研修後もOJTを含めて一年を目安とした長期的な視点での育成計画が望ましいでしょう。
未経験者でもついていける?
多くのエンジニア研修サービスは、未経験者でも無理なく学習を進められるように設計されています。特に、新卒や未経験者を対象としたコースでは、プログラミングの概念から丁寧に解説し、ステップバイステップでスキルを習得できるようカリキュラムが工夫されています。
重要なのは、手厚いサポート体制が整っているかどうかです。専任のメンターによる定期的な面談、チャットやQ&Aサイトでの質疑応答、課題に対するフィードバックなど、学習中に生じる疑問や不安をすぐに解消できる環境があれば、未経験者でも着実にスキルを身につけることが可能です。
事前に研修サービスのサポート体制を十分に確認し、なるべく手厚いものを選びましょう。
エンジニア研修の費用相場はどのくらい?
エンジニア研修の費用は、内容や期間、受講形式によって大きく異なります。数日間の短期集中型であれば数万円から、数か月にわたる本格的な育成プログラムでは数十万円から数百万円に及ぶケースもあります。
助成金はどのくらい活用できる?
エンジニア研修に利用できる助成金は、厚生労働省が管轄する「人材開発支援助成金」が代表的です。この助成金は社員のスキルアップを目的とした訓練に対して、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部を助成する制度です。
助成率は企業の規模や訓練内容、生産性要件の達成状況によって異なり、訓練経費の最大75%、賃金助成の最大960円/時間が支給されるといった例があります。
ただし、助成金には対象となる研修や申請期間、提出書類など、細かな条件が定められているため、一概に断言はできません。
助成金活用を検討中の企業様はエンジニア研修の選定時にそのサービスが助成金対象であるか、また助成金の申請サポートを行っているかを確認し、不明な点があれば専門家や労働局に相談することをおすすめします。
研修と自社OJTはどちらが良い?
エンジニア育成において、研修と自社OJT(On-the-Job Training)は、それぞれ異なる役割と効果を持つため、どちらか一方が優れているというものではありません。また両者を組み合わせることで、より効果的な人材育成が期待できます。
研修は、体系的な知識や基礎技術を効率的に習得するのに適しており、専門講師から質の高い教育を受けられます。特に未経験者や新卒のエンジニア研修においては、ITの基礎やプログラミングの基本を学ぶ上で有効です。
対してOJTは、実際の業務を通じて実践的なスキルや会社の文化、チーム開発の進め方などを学ぶのに最適です。現場での課題解決能力や、先輩エンジニアからの直接指導を通じて、即戦力としての成長を促す効果も高まります。
理想的なのは、研修で得た知識をOJTで実践し、その中で新たな課題を見つけて再度研修で補うというサイクルを回すことです。自社の状況に合わせて、それぞれのメリットを最大限に活かせるような育成計画を立てていきましょう。
新卒や未経験のエンジニアを育成する上で、特に重要なポイントは何ですか?
新卒や未経験のエンジニアを育成する上では、基礎から着実に学べるカリキュラムと、学習を完遂させるための手厚いフォロー体制が特に重要です。現場で力を発揮するまでの一年を目安とした研修期間設定や、社員のスキルレベルに応じたグルーピング、定期的な理解度チェックも意識しておきましょう。
以上、法人向けおすすめのエンジニア研修と選び方・よくある質問でした。
BtoB Review HubはBtoBサービス専門の比較サイトです。特徴は、完全無料、日英バイリンガル、毎日更新・最新データの3点。利用・掲載ともに完全無料で、コストをかけずに自社に合うサービスを比較することが可能です。ジャンルは人事・労務や採用、法務といったバックオフィスから、営業・マーケティング、EC、研修・教育、セキュリティなど多岐にわたります。サービスをお探し、または掲載を検討中の方はお気軽にお問い合わせください。
参考文献
- IT人材需給に関する調査 — 経済産業省(2019年)(https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/jinzai/houkokusyo.pdf)
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