
組織的な営業力の強化手段として、研修の実施を考えている企業は多いのではないでしょうか。しかし、営業研修の費用相場は不明瞭な場合や、料金形態・計算方式がわかりづらい場合も少なくありません。
また外部講師の派遣の有無、集合または個別(オンライン)など、研修の形式によっても費用は変わります。費用対効果の高い研修を選定するには、料金形態や相場を知っておくと安心です。
そこで本記事では、営業研修の具体的な料金相場と、研修形式ごとの費用内訳、さらには費用を抑える方法や自社に合う営業研修の選び方まで詳しく解説します。
これから営業研修の導入を検討されている営業部門マネージャーや人事部の研修担当の方々が最適な意思決定を行えるよう、参考になれば幸いです。
営業研修の料金相場(平均)は50万円
営業研修の料金相場は、研修の形式や内容、期間、参加人数によって大きく異なりますが、一般的な形式である講師派遣型を例に出すと、平均は1日あたり40万円〜80万円程度です。
主要な営業研修の種類ごとの平均費用は次の通りです。
| 研修形式 | 平均料金(目安) | 料金単位 |
|---|---|---|
| 講師派遣型(集合型) | 約50万円 | 1日あたり(講師一人あたりの派遣にかかる金額のため、参加人数は問わない) |
| 公開講座 | 約7万円 | 1名あたり |
| eラーニング | 初期費用約10万円 + 年間2万円 | 1名あたり |
| 総合コンサルティング | 約300万円〜500万円 | プロジェクト単位で一社あたりの契約金額(平均3か月程度) |
上記はあくまで平均。次の章で、料金相場を紹介します。
営業研修の種類・形式ごとの料金相場
営業研修の種類ごとの料金相場を一覧でまとめました。
| 研修形式 | 費用相場(目安) | 料金単位 | 主な特徴 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|---|---|
| 講師派遣型(集合型) | 20万円〜100万円 | 1日あたり | 講師が企業に出向き、自社課題に特化した研修を提供 | カスタマイズ性が高い、集合式のために組織の一体感を醸成しやすい、受講人数が多いほど単価が安くなる | 講師やサービスによっては費用が高め、日程調整が必要 |
| 公開講座 | 3万円〜15万円 | 1名あたり | 研修会社が主催、複数の企業から各企業の代表者が参加 | 少人数から手軽に参加可能、複数企業で合同のため費用を抑えやすい、他社との交流機会あり | 自社の課題に完全に合致しない場合もあり、汎用的なスキル習得が中心で専門的・演習込みの研修は少ない |
| eラーニング | 初期費用0〜30万円 + 月額1,000〜5,000円/年額1〜5万円 | 初期費用 + 1名あたり月額/年額 | インターネットを通じて提供、場所・時間を選ばず学習可能 | 他の研修に比べて費用を比較的安く抑えられる、大規模な従業員教育に最適、繰り返し学習が可能、営業活動の空き時間に受講できる | 実践的なロールプレイングが難しい、座学中心になりやすい、進捗管理が必要 |
| 総合コンサルティング | 数百万円〜数千万円 | プロジェクトまたは期間単位 | 営業戦略の立案から組織構築、実行支援まで広範なサポートを提供 | 企業の根深い課題に対し包括的な解決策・オーダーメイドで提供可能、組織全体の変革も期待できる | 費用が非常に高額、長期プロジェクトになる傾向 |
営業研修の費用は、実施される形式によって大きく異なります。自社の営業課題や予算に合わせた種類を選ぶためにも、それぞれの形式の料金相場と特徴を理解しておくのがおすすめです。
そこで次で、上記で紹介した講師派遣型、公開講座、eラーニング、総合コンサルティングの特徴や料金体系を詳しく解説します。
【形式別】営業研修の料金相場
営業研修は、講師派遣型(集合型)、公開講座、eラーニング、総合コンサルティングの4つの主要な形式があり、それぞれ料金体系と適した用途が異なります。
講師派遣型(集合型)
講師派遣型研修は講師が企業に出向き、従業員が一堂に会して受講する研修形式です。自社の営業課題に特化した内容で、集合研修ならではのグループワークやロールプレイングを活かした実践的な学習が可能です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 料金相場 | 1日あたり20万円〜100万円 |
| 一般的な研修会社 | 30万円〜70万円 |
| 大手研修会社や特定の専門家 | 50万円〜100万円以上 |
| 特徴 | ・自社の具体的な課題や商材に合わせてカスタマイズが可能 ・参加者間のコミュニケーションが活発になり、組織の一体感を醸成しやすい ・受講人数が多いほど、1名あたりの費用は相対的に安くなる傾向 |
具体的なサービスとして、リクルートマネジメントソリューションズは講師派遣型の研修の実績が豊富です。プログラムによって費用が異なりますが、1コース3時間の研修が1万5,000円から提供されています。
公開講座
公開講座は研修会社が主催するセミナー形式の研修で、複数の企業から受講者が参加する形式です。幅広いテーマが用意されており、特定のスキルや知識をピンポイントで習得したい場合に適しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 料金相場 | 1名あたり3万円〜15万円 |
| 短時間の基礎講座 | 3万円〜8万円 |
| 専門性の高い講座や複数日コース | 8万円〜15万円 |
| 特徴 | ・少人数から手軽に参加でき、費用を抑えやすい ・他社の参加者との交流を通じて、新たな視点や情報を得られる機会がある ・自社の課題に完全に合致するとは限らないが、汎用的なスキル習得には有効 |
例えばインソースは豊富な公開講座を提供しており、1人あたり数万円から受講可能です。アイルキャリアカレッジもIT企業向けを中心に、少人数制の公開講座を1講座1人あたり2万4,000円から提供しています。
eラーニング
eラーニングは、インターネットを通じて提供される、自習型の学習コンテンツです。サービス内に用意されている動画や教材で、自分の好きなタイミングで学ぶため、場所や時間を選ばずに自分のペースで学習可能。従業員の業務負担を最小限に抑えながらスキルアップを図れます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 初期費用 | 0円〜30万円(プラットフォーム導入費用など) |
| 1名あたりのID発行費用 | 月額1,000円〜5,000円、または年間1万円〜5万円 |
| 特徴 | ・費用を比較的安く抑えられ、大規模な従業員教育にも適している ・繰り返しの学習が可能で、学習進捗の管理も容易 ・実践的なロールプレイングなどは難しく、座学中心になりやすい |
eラーニングは、初期費用や年間契約、ID数によって費用が変動するため、自社の規模や利用期間を考慮して選ぶのがおすすめです。
総合コンサルティング会社に依頼
総合コンサルティング会社に営業研修を依頼することも可能です。単なる研修提供に留まらず、営業戦略の立案から組織構築、実行支援まで、広範囲でサポートを受けられるのが特徴です。費用は高くなるものの、自社の抜本的な営業組織改革を目指す場合に適しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 料金相場 | 数百万円〜数千万円 |
| 短期プロジェクト(3か月〜6か月) | 300万円〜800万円 |
| 長期プロジェクトや大規模改革 | 1,000万円以上 |
| 対応範囲 | ・営業戦略・戦術の策定、営業プロセスの改善 ・営業マネジメント層の育成、KPI設定 ・個別のコーチングや伴走支援、営業ツール導入支援 |
| 特徴 | ・企業の根深い課題に対し、包括的かつオーダーメイドな解決策を提案 ・営業組織全体の変革を期待できるが、費用は高額になる傾向 |
リクルートマネジメントソリューションズ、セールスアカデミー、ザ・ホスピタリティチームなどは、このような総合的なコンサルティングサービスも提供しており、個別の課題に応じた見積もり提供も可能です。
見積もりに含まれる営業研修費用の内訳
営業研修の費用は、受講料金だけで構成されるわけではありません。見積もりには、研修形式に応じてさまざまな付帯費用が含まれることがあります。
見積もり確認時は提示された基本料金だけでなく、別途発生する可能性のある付帯費用まで詳細に確認しておきましょう。内訳を把握していないと後から予期せぬ出費が発生し、総額が予算をオーバーする可能性があります。
研修ごとの付帯費用は次の通りです。
| 研修形式 | 主な費用内訳(基本料金以外) |
|---|---|
| 講師派遣型(集合型) |
|
| 公開講座 |
|
| eラーニング |
|
| 総合コンサルティング |
|
具体的な金額は研修・サービスで異なるため、事前に問い合わせてみてください。
なぜ、営業研修の料金は幅があるのか

ここまで紹介した営業研修の料金形態や金額が形式や期間、参加人数で変動するのは、実施形式や人数で必要コストが変わるからです。自社に最適な研修を適正な価格で選ぶために、ここでは料金が変動する主な理由を5つ解説します。
研修の実施形式によるコストの違い
研修の実施形式は、直接的なコストに大きな影響を与えます。特に集合研修とオンライン研修、eラーニングでは必要経費が大きく変わるため、総額に差が生じます。
| 研修形式 | 費用に関する特徴 |
|---|---|
| 集合研修(講師派遣型、公開講座) | 会場費、講師の交通費や宿泊費、受講者の移動費や宿泊費などが別途発生する場合がある。特に遠隔地からの参加者が多い場合や、外部の研修施設を利用する場合は、これらの費用が総額を押し上げる要因となる |
| オンライン研修・eラーニング | 物理的な研修会場の確保が必要ない分、研修費全体を抑えることが可能。オンライン会議システムやeラーニングプラットフォームの利用料は発生するが、会場や講師の宿泊費や交通費、受講者の交通費も不要 |
特に研修の実施形式がオフラインかオンラインかによって、会場費や交通費といった付帯費用が大きく変動し、最終的な総額も変動します。基本的には実施形式ごとの必要コストの違いから差額が生じると考えておきましょう。
研修会社・サービスのブランド力や実績
研修サービス提供側のブランド力やこれまでの実績も、営業研修の料金に影響を与える要素の一つです。一般的に長年の経験と豊富な実績を持つ大手の研修会社は、価格が高くなる傾向にあります。
| 研修会社の種類 | 内容 |
|---|---|
| 大手研修会社 | リクルートマネジメントソリューションズやインソースなどの大手企業は、体系化された質の高いプログラム、豊富な実績を持つ講師陣、充実したサポート体制を提供している。研修成果への信頼感や安心感が得られるため、価格が高めに設定されている |
| 専門特化型の中小規模な研修会社 | 特定の業界やニッチなスキルに特化した中小規模の研修会社は、比較的リーズナブルな価格で提供している場合がある。しかし、その分特定の課題解決に強みを持つ一方で、汎用的なニーズには対応しきれない可能性もある |
ブランド力が高ければ、費用も高額になります。質に関与する重要な要素ですが、ブランド力にこだわりがない場合は、自社の営業課題に適した実績や専門性の有無で選ぶのも一つの方法です。
講師の実績や専門性
講師の実績や専門性も、営業研修の料金を左右する要因の一つです。知名度や特定の専門分野における実績が豊富な講師は、指名料が上乗せされる形で費用が上がる傾向にあります。
| 要因 | 内容 |
|---|---|
| 有名企業への登壇実績 | 多くの有名企業での登壇経験がある講師や、ベストセラーを出版しているような著名な講師は、そのブランド力から高額な費用が設定されることがある |
| 特定業界への特化 | IT業界、製造業、医療業界など、特定の業界に特化した深い知見を持つ講師はその専門性が高く評価され、費用が高くなる傾向がある。ただ、商材や営業プロセスが特殊な企業にとっては必要な選択基準にもなる |
| 実績の多さ | 研修の実施回数や担当した企業の成功事例が豊富な講師も、実績が少ない講師よりも費用が高くなるのが一般的。経験に裏打ちされた知見やノウハウは、研修の質と成果に直結するため、重要な要素となる |
講師の専門性は研修の質を大きく左右します。心配であれば、自社の営業課題解決に貢献できる講師であるかを見極めるようにしましょう。
カスタマイズの有無や度合い
営業研修の料金は、カリキュラムのカスタマイズの有無や度合いでも大きく変わります。既製のカリキュラムを使用する研修と、自社のニーズに合わせてオーダーメイドで設計する研修では、開発工数が異なるため価格に差が生じます。
| カリキュラムの種類 | 内容 |
|---|---|
| 固定カリキュラム | すでに用意されているプログラムをそのまま利用する場合、研修会社は教材開発や設計にかかるコストを削減できるため、比較的リーズナブルな価格設定になる。汎用的な営業スキル(例:新人営業向けの基礎研修)の習得には十分有効 |
| カスタマイズ可能な研修 | 自社の特定の商材、営業プロセス、顧客特性に合わせて研修内容を調整する場合、教材の修正や追加、演習内容の変更などが発生する |
| オーダーメイド研修 | 自社の営業課題を深くヒアリングし、ゼロからオリジナルのカリキュラムを設計する「オーダーメイド」型の研修は、事前のヒアリング工数、教材作成費、講師の準備工数が大幅に増加するため、とりわけ高額な価格設定となる。しかし、その分自社の課題にピンポイントで対応できるため、高い成果が期待できる |
「オーダーメイド」研修は費用が高くなる一方で、自社に最適化された内容で実施できるため、費用対効果は高くなる可能性があります。メリット・デメリットをしっかり確認すると安心でしょう。
参加者のレベルによる内容の違い
営業研修の料金は参加者のレベルによって内容が異なり、それに伴い費用も変動します。新人営業向けの基礎研修と管理職やベテラン営業向けの高度なプログラムでは、講師の専門性や希少性が変わるためです。
| 対象・研修内容 | 費用傾向の要因 |
|---|---|
| 新人営業向けの基礎研修 | 営業の基本的なマナー、商談の進め方、顧客とのコミュニケーション術など、汎用的な基礎スキルに焦点を当てた研修は、比較的リーズナブルになりやすい。講師も基本的な営業経験があれば対応できる場合が多く、コンテンツも既製のものが活用されやすい傾向にある |
| 管理職向け研修 | 営業戦略の立案、チームマネジメント、コーチング、目標設定と進捗管理など、より高度なマネジメントスキルを扱うため、専門性の高い講師が必要となる。このような講師は市場に少なく、希少性が高いため、費用も高額になる傾向がある |
| 高度な営業スキル向上プログラム | クロージングスキル、複雑な法人営業における交渉術、顧客ロイヤルティ向上戦略など、特定の高度な営業スキルに特化した研修も、専門的な知見を持つ講師が必要となり、費用が高くなる |
参加者の現状と目標レベルを明確にし、それに合致した専門性を持つ講師とプログラムを選ぶことが、適切な価格での研修導入につながります。
営業研修の見積もり比較における注意点

営業研修の導入を検討する際、複数の研修サービス提供側から見積もりを取ることは重要です。しかし、各社から提示された料金は、表記方法や内訳が異なることが多く、単純な比較は困難です。
営業研修の見積もりを比較する際は、提示された料金が「1人あたり」か「1日総額」かを明確にし、総額・単価・日数・対象人数を揃えて比較検討することがポイント。
確認ポイントを統一して比較しないと、一見安く見えるサービスが実は高額である、といった誤った判断をしてしまう可能性があります。
サービスごとで異なりますが、料金を1人あたりで提示することもあれば、1日総額やプロジェクト総額で提示することもあります。例えば、公開講座は1人あたりの参加料金が一般的ですが、講師派遣型研修では1日総額での見積もりが多く見られます。
このままでも比較はできますが、例えば「A社は1人あたり5万円、B社は1日30万円」という見積もりでは、どちらが自社にとって良いのかを瞬時に判断することはできません。対処法としては、以下の手順で比較することです。
1. 料金単位の統一:すべての研修について、例えば「1人あたり」「1日あたり」の料金に換算するなど、統一された単位で費用を算出します。
2. 総額の算出: 研修の期間、対象人数を考慮し、合計でかかる費用(基本料金+付帯費用)の「総額」を算出します。
3. 内訳の確認: 基本料金以外に発生する可能性のある費用(講師の交通費・宿泊費、教材費、会場費など)が、見積もりに含まれているか、別途発生するのかを確認します。
4. サービス内容との整合性: 価格だけでなく、研修内容や講師の質、カスタマイズの度合い、サポート体制といったサービス内容と価格が釣り合っているかを総合的に判断します。
特に「会社の研修は自己負担ですか?」といった疑問を持つ従業員がいる場合、研修費用の全容を明確にすることで、社内における透明性を高めることにもつながります。見積もり段階で不明な点があれば、遠慮なくサービス提供側に質問しましょう。
営業研修の費用を抑える方法

営業研修の費用は決して安価ではないため、予算を効率的に活用しつつ、最大限の成果を得るための工夫が必要です。具体的には公開講座やeラーニングの活用、受講人数を最小限に絞る、そして国の助成金を活用することが効果的です。これらの方法を組み合わせることで、予算内で質の高い研修を実施できます。
ここでは、その方法を具体的に解説します。
公開講座またはeラーニングから始めてみる
高額な講師派遣型研修やコンサルティングサービスをいきなり導入するのではなく、まずは公開講座やeラーニングから試してみるのも一つの方法です。
・公開講座: 1名あたりの参加費用が数万円からと、比較的リーズナブルに設定されています。少人数から気軽に利用でき、特定のスキルや知識をピンポイントで習得させたい場合に有効です。複数のテーマが用意されているため、自社の課題に合ったものを選びやすいでしょう。
・eラーニング: 初期費用と1名あたりのID費用は発生しますが、場所や時間を選ばずに学習できるため、従業員の業務を中断することなく効率的に学習を進められます。コンテンツを一度導入すれば繰り返し利用できるため、長期的に見ればコストパフォーマンスに優れています。
特に個人の営業スキルアップを考えている従業員にも適しており、モチベーションの高い社員であれば自主的に学習してくれることが期待できます。手頃な価格で専門的な学びを得られるため、導入へのハードルも低いです。
受講人数を最小限に抑える
講師派遣型やコンサルティングサービスの場合、受講人数が増えるほど総額が高くなる傾向があります。費用を抑えたい場合は、研修の対象者を本当に必要なメンバーに絞り込み、最小限の人数で実施しましょう。
・対象者の厳選: 全員に一律で研修を受けさせるのではなく、営業成績が伸び悩んでいる層、特定のスキルが不足している層、将来のリーダー候補など、明確な目的を持って対象者を限定します。
・段階的な導入: まずはコアメンバーや部署長などの少人数で研修を実施し、その効果を測定します。成果が出ればその成功事例を基に、より大規模な展開を検討するのもおすすめです。
人数を絞ることで講師の目が届きやすくなり、個別のフィードバックが充実するといった教育効果の向上も期待できます。
助成金を活用する
国や地方自治体は、企業が従業員のスキルアップや人材育成のために研修を行う場合、費用の一部を補助する助成金制度を設けています。条件が合えば、営業研修の費用を大幅に抑えることが可能です。
・主な助成金: 代表的なものとして、厚生労働省の人材開発支援助成金があります。これは、従業員に対して職務に関連する専門的な知識・技能を習得させるための訓練を行う企業に対して、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部を助成する制度です。
・申請条件の確認: 助成金にはそれぞれ細かな申請条件や対象となる研修内容、期間などが定められています。事前に厚生労働省や地方自治体のWebサイトなどで詳細を確認し、自社の計画が対象となるかを確認しましょう。ただ、申請手続きには時間がかかるため、余裕を持ったスケジュールで準備を進めてください。
助成金は返済不要なため、活用しない手はありません。自社の研修計画に合致する助成金がないか、積極的に探してみましょう。
おすすめの助成金はこちらで紹介しているため、参考にしてみてください。
「【2026年最新版】IT研修で使える助成金一覧|申請条件・助成額の目安・注意点を解説」
費用対効果の高い営業研修の選び方

営業研修を低価格で実施できたらベストですが投資した費用に見合う、あるいはそれを上回る効果を得ることがもっとも重要です。費用対効果の高い営業研修を選ぶためのポイントを紹介します。
成果指標を事前に設計する
研修を計画した際、期待した効果があったかと思います。また、研修を実施してから「何を測ればよかったのか」と悩むケースは少なくありません。そのような迷いや後悔を減らすには、研修を発注する段階でどの指標をどう改善したいかを明確にしておきましょう。理由は次の通りです。
・具体的な目標設定: 例えば、「受注率を5%向上させる」「平均商談単価を10%引き上げる」「新規顧客獲得数を月に20%増やす」など、具体的かつ測定可能な目標を設定します。
・KPIとの連動: 設定した目標が、既存の営業KPIと連動していると、より効果測定がしやすくなります。研修内容とKPIが紐づいていることで、研修後の行動変容が営業成績にどのように影響したかを追跡できます。
・社内稟議の強化: 目的・目標が整理されていると、研修導入の稟議や上司からの承認も得やすくなります。投資に対する明確なリターンが示せるため、説得力が増します。
そして目的・目標達成のために、あまりにも短かすぎる研修は避けましょう。費用重視で研修を選ぶと、短期間で手軽に実施できるプログラムになりがちです。
しかし、短すぎると成果が出ない、または低い目標しか立てられないという問題が発生する可能性があります。
研修効果がすぐには現れないことが多いため、数日〜数週間、できれば数か月の期間を設けて評価してみてください。
研修受講による機会損失も留意する
営業研修の費用対効果を考える上で見落とされがちなのが、研修時間中に営業担当者が本来行えたはずの営業活動の機会損失が起きることです。この機会損失も、正確なコストとして含めて考慮すべきです。
・機会損失の計算: 例えば、1人の営業担当者の平均売上が1日あたり20万円だと仮定した場合、1日研修に参加することで20万円の売上機会を失うことになります。研修参加人数と日数に応じて、この機会損失は累積的に大きくなります。
・対策の検討: ・業務状況に合わせた参加者の選定: 売上がギリギリな時期や、特定のプロジェクトで重要な役割を担っている営業担当者は参加を見送るか、時期をずらすことを検討しましょう。
・参加者の限定: 研修の緊急度や内容・実施の必要性に応じて、参加者を一部に限定します。
・受講時期の分散: 営業部門全体が一度に研修を受けるのではなく、メンバーをグループ分けして受講時期をずらせば、営業活動への影響を最小限に抑えることは可能です。
・オンライン研修の活用: 業務の合間や移動時間を利用できるeラーニングや、短時間のオンライン研修であれば業務中断による機会損失を減らすことができます。
研修受講による機会損失まで考慮することで、より正確な費用対効果を算出し、総合的な投資判断を行うことが可能になります。
一か月未満の短期より、数か月単位の研修を選ぶ
管理職研修などと比較して、営業研修は比較的成果が数値化しやすい領域ですが、それでも効果が出るまでに一定の期間はかかります。研修の期間設定も費用対効果を左右する重要な要素となり、できれば数か月単位で実施しましょう。
・効果測定期間の確保: 研修後すぐに成果が出るとは限りません。新しいスキルや知識を習得し、それを実務で実践し、成果として現れるまでにはタイムラグがあります。単月の数字だけで判断せず、3か月〜半期(6か月)など、一定期間で評価する視点を持ったほうが失敗だと感じることは減ります。
・短期研修の注意点: 特に費用を重視して研修を選ぶと、数日や1週間程度の短期研修を選びがちです。しかし、短期間では表面的な知識の習得に留まり、行動変容や定着に繋がりにくい可能性があります。
・長期研修のメリット: 数か月単位で継続的に行われる研修は、学習内容の定着を促し、実践とフィードバックのサイクルを回せる分、より本質的なスキルアップや行動変容を期待できます。コーチングやフォローアップが組み込まれているプログラムであれば、さらに効果を高めることができます。
・費用と期間のバランス: 短期研修を選ぶ場合、費用は安価であっても期間が長めのプログラムや、参加人数を絞り込んで実施することで一人ひとりの学習深度を高める工夫が有効です。
営業研修は、中長期的な視点での投資と捉え、適切な期間設定を行うことで、着実な成果に繋げることができます。
低価格のおすすめ営業研修会社
営業研修の導入を検討する際、費用対効果の高さは重要な選定基準の一つです。ここでは、比較的手頃な価格で質の高い営業研修を提供しているサービス提供側を紹介します。費用を抑えつつ、効果的な営業力強化を目指したい企業におすすめです。
| サービス名 | サービスの特徴 | カリキュラム例 | 受講形式 | 期間 | 料金相場(目安) |
|---|---|---|---|---|---|
| インソース | 豊富な公開講座とカスタマイズ可能な講師派遣型研修を提供。年間受講者数が多く、多様なニーズに対応できる。 |
| 公開講座、講師派遣型、eラーニング | 公開講座: 1日〜数日 講師派遣型: 1日〜 | 公開講座: 1名1万円〜 講師派遣型: 1日30万円〜 |
| 株式会社リスキル | シンプルかつ一律の料金形態が特徴。企業の課題に合わせたオーダーメイド研修も可能で、質の高い研修を低価格で提供。 |
| 講師派遣型(集合研修、オンライン) | 1日〜 | (講座タイプ×人数×時間)で算出 例: 6名×6時間で20万円台〜 |
| グリーンサン企画 | 実践型に特化した営業研修を提供。中小企業を中心に、きめ細やかなサポートと低価格を両立。 |
| 講師派遣型(集合研修、オンライン) | 数時間〜1日 | 1時間あたり4万円〜 例: 3時間研修で12万円〜 |
インソース、リスキル、グリーンサン企画は、低価格帯で質の高い営業研修を提供しており、特に予算に限りがある企業や特定のニーズを持つ企業におすすめです。
営業研修の費用でよくある質問
営業研修の導入を検討する際、費用や効果に関する疑問は尽きません。ここでは、営業部門マネージャーが抱きやすい、研修でよくある質問とその回答をご紹介します。
Q1.少人数でも依頼できる?
はい、営業研修は少人数でも依頼することが可能です。多くの研修サービス提供側は、数名など少人数のニーズにも対応しています。
公開講座やeラーニング、またはカスタマイズ可能な講師派遣型研修を活用することで、数名単位でのスキルアップを実現できます。
どんな形式を選ぶにしても、研修会社に具体的な人数と目的を伝え、最適なプランを相談してみてください。
Q2.研修の効果はどのくらいで出る?
営業研修の効果がどのくらいで出るかは研修内容、参加者のレベル、研修期間、そして研修後のフォローアップ体制によって大きく異なります。
一般的に研修終了後すぐに出るものではなく、行動変容を経て成果として現れるまでに3か月から半年程度の期間を要することが多いです。
研修の効果を最大限に引き出すためには、研修後の実践を促す仕組み(例:OJT、定期的なレビュー、コーチング)を導入し、継続的にフォローアップを行うことも考慮しましょう
まとめ
営業研修は、企業の成長と営業力強化のための重要な投資です。費用相場は研修形式によって大きく異なり、講師派遣型であれば1日あたり40万円〜80万円、公開講座であれば1名あたり3万円〜8万円が目安となります。費用は研修の実施形式、研修サービス提供側のブランド力、講師の専門性、カスタマイズの有無、参加者のレベルなど、さまざまな要因で変動することを理解しておきましょう。
費用を抑えたい場合は公開講座やeラーニングの活用、受講人数を最小限に抑える、助成金を活用するといった方法が有効です。同時に研修導入前に具体的な成果指標を設計し、研修受講による機会損失も考慮に入れ、一か月未満の短期ではなく数か月単位で効果を測定する視点を持ちましょう。
本記事で紹介した低価格で質の高い研修サービスや、費用対効果を高めるための選び方を参考に、ぜひ自社の営業課題解決に最適な営業研修を選んでください。
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参考文献
- 人材開発支援助成金 — 厚生労働省(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/d01-1.html / 2024年5月)
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